省エネ住宅の購入を検討する際に、「BELS(ベルス)」という言葉を耳にする機会が増えているのではないでしょうか。
BELSは、建築物の省エネ性能を評価・表示する制度です。
今回は、BELSの概要、ZEHとの違い、メリットなどを解説し、住宅購入検討者にとって役立つ情報を提供します。
BELSとは何か?制度の概要とZEHとの違い
BELSの定義と目的
BELSは「Building-Housing Energy-efficiency Labeling System」の略で、「建築物省エネルギー性能表示制度」を意味します。
国が定める省エネ性能表示制度に対応した制度の一つであり、一般社団法人 住宅性能評価・表示協会が運営しています。
BELSの目的は、建築物の省エネ性能を客観的に評価し、消費者が省エネ性能を比較検討しやすいようにすることです。
2025年4月以降、新築される全ての建築物には国の省エネ基準への適合が求められるため、BELSによる評価はますます重要性を増しています。
BELSの評価方法と指標BEI値
BELSでは、一次エネルギー消費量を指標としたBEI値(Building Energy Index)を用いて省エネ性能を評価します。
BEI値は、設計一次エネルギー消費量を基準一次エネルギー消費量で割った値で、値が小さいほど省エネ性能が高いことを示します。
BEI値に応じて、星マーク(1つ星~5つ星)で省エネ性能が表示されます。
星の数が多いほど、省エネ性能が高いことを意味します。
また、断熱性能についても、レベル1~7の7段階で評価されます。
BELSとZEHの違いを明確に解説
BELSとZEH(ゼッチ)は、どちらも省エネ住宅に関する制度ですが、その内容は異なります。
BELSは、建築物の省エネ性能を評価・表示する制度であるのに対し、ZEHは「年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロ」または「ほぼゼロ」を目指す住宅を指します。
ZEHは、高い断熱性能と高効率設備、再生可能エネルギーの導入を組み合わせることで、大幅な省エネルギーを実現することを目指しています。
BELSは、ZEHを含む様々な住宅の省エネ性能を評価することが可能です。
BELS評価書には、ZEH基準を満たしているかどうかも記載されます。
BELS評価書に記載される情報
BELS評価書には、エネルギー消費性能(星マーク)、断熱性能(レベル)、BEI値、一次エネルギー消費量、省エネ基準への適合状況など、詳細な省エネ性能に関する情報が記載されています。
この評価書は、住宅購入検討者にとって、建物の省エネ性能を客観的に判断するための重要な情報源となります。
また、補助金制度の申請にも活用できます。

BELSを取得するメリット
BELSを取得することで、様々なメリットがあります。
省エネ性能の可視化と信頼性の向上
BELSは第三者機関による評価であるため、客観性と信頼性が高い点が大きなメリットです。
住宅購入者は、BELS評価書によって、建物の省エネ性能を客観的に比較検討することができます。
星マークによる分かりやすい表示は、専門知識のない人でも省エネ性能を容易に把握できるようになっています。
補助金制度への活用可能性
BELS評価書は、ZEH支援事業などの補助金制度の申請に必要となる場合があります。
BELSを取得することで、補助金制度を活用し、住宅購入にかかる費用を削減できる可能性があります。
住宅購入における競争優位性
省エネ性能を重視する消費者が増えている中、BELSを取得している住宅は、他の住宅と比較して競争優位性を持つ可能性があります。
特に、ZEH基準を満たしている住宅は、高い評価を得られるでしょう。
将来的な資産価値への影響
省エネ性能が高い住宅は、将来的な資産価値の維持・向上に繋がる可能性があります。
光熱費の削減による経済的なメリットに加え、環境意識の高まりから、省エネ性能は住宅の価値を左右する重要な要素になりつつあります。

まとめ
BELSは、建築物の省エネ性能を客観的に評価・表示する制度です。
ZEHとは異なる概念であり、ZEH基準の達成状況も評価書に記載されます。
BELSを取得することで、省エネ性能の可視化、信頼性の向上、補助金制度の活用、住宅購入における競争優位性、将来的な資産価値の維持・向上といったメリットが期待できます。
住宅購入を検討する際には、BELS評価書を参考に、建物の省エネ性能をしっかり確認することが重要です。
BELSは、省エネ住宅選びにおける重要な指標となるでしょう。
消費者は、BELS評価書の情報に基づいて、より賢い住宅選びを行うことができます。