「家を建てるなら環境にも優しい、そして光熱費を抑えられる家がいいけど、具体的にどんな方法があるの。」、「パッシブデザインという言葉は聞いたことがあるけど、実際どんなものかよくわからない」
そんな悩みをお持ちのあなたへ。
この記事では、パッシブデザインとは何か、そのメリット、デメリット、具体的な設計方法などをわかりやすく解説していきます。
注文住宅の建築を検討している人が、パッシブデザインの理解を深め、より快適で省エネな家を実現するための設計手法として採用できるようになることを目指します。
パッシブデザインとは?
パッシブデザインとは、エアコンなどの機械に頼らず、太陽の光や熱、風といった自然の力を最大限に活用して、快適で省エネな住まいを実現する設計手法のことです。
「パッシブ(passive)」は「受動的」という意味で、機械に頼らず自然の力を利用することで、エネルギー消費を抑え、環境負荷を軽減できる点が大きな特徴です。
1: パッシブデザインのメリット
パッシブデザインのメリットは、大きく分けて3つあります。
・省エネ効果で光熱費削減
パッシブデザインでは、太陽光や風などを利用することで、冷暖房の負荷を軽減できます。
そのため、従来の住宅と比べて光熱費を大幅に削減することができます。
・快適な住環境
太陽の光を効率的に取り入れたり、風通しを良くすることで、一年を通して快適な室温を保つことができます。
特に夏は、日射遮蔽によって室温の上昇を抑え、冬は日射熱を最大限に活用することで暖房効率を高めることができます。
・環境負荷の低減
化石燃料の使用量を減らすことで、二酸化炭素排出量を抑制し、地球温暖化対策に貢献できます。
2: パッシブデザインのデメリット
パッシブデザインには、メリットだけでなく、デメリットも存在します。
・初期費用が高くなる場合がある
断熱性能を高めたり、日射遮蔽を取り入れたりするため、一般的な住宅よりも初期費用が高くなる場合があります。
・設計の難易度が高い
パッシブデザインを効果的に実現するには、日射量や風向き、周辺環境などを考慮した、高度な設計技術が必要です。
・建物の形状や配置に制約がある場合がある
パッシブデザインを取り入れるためには、建物の形状や配置に制約が生じる場合があります。
パッシブデザイン5つの要素
パッシブデザインには、「断熱」「日射遮蔽」「通風」「昼光利用」「日射熱利用暖房」という5つの要素があり、それぞれの要素を組み合わせて、快適で省エネな住空間を実現します。
1: 断熱
断熱とは、建物の外と内を遮断し、熱の伝達を抑えることです。
高断熱住宅は、冬は暖気を逃がさず、夏は涼しさを保つため、年間を通して快適な室温を維持することができます。
2: 日射遮蔽
日射遮蔽とは、夏の強い日差しを遮り、室温の上昇を抑えることです。
軒や庇、ブラインドなどを設置することで、太陽光を効果的に遮断することができます。
3: 通風
通風とは、室内の空気を自然に循環させることです。
窓やドアの配置、風の流れなどを工夫することで、自然の風を効率的に利用し、室温を調節することができます。
4: 昼光利用
昼光利用とは、太陽光を照明として利用することです。
窓の大きさや位置、採光窓の設計などを工夫することで、昼間は照明を必要としない、明るい室内を実現することができます。
5: 日射熱利用暖房
日射熱利用暖房とは、冬の太陽光を窓から室内に取り込み、室温を上げる方法です。
南向きの窓や、日射取得率の高い窓ガラスなどを採用することで、太陽の熱を効率的に利用することができます。
まとめ
パッシブデザインは、自然の力を活用することで、快適で省エネな住まいを実現する設計手法です。
初期費用は高くなる場合がありますが、光熱費削減や環境負荷の低減などのメリットも大きいので、注文住宅を建てる際には、ぜひ検討してみてください。
パッシブデザインの要素を理解し、それぞれの要素を効果的に組み合わせることで、快適で省エネな住まいを実現することができます。