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社長の生い立ち5

転職そして独立

 (社長の生い立ち4から)

私が独立して今のサンワコーポレーション株式会社の代表取締役になったのは平成23年ですが、平成9年頃から父は細々と不動産屋をしていた様で、会社名を有限会社サンハウスと言いました。父はある時私に「Kハウジングでは住宅営業を学んだのだから、他の業務も別の会社で勉強してみたら」と言いました。

具体的には土地の仕入についてノウハウを勉強しろという事でしたが、私はその意見には一理あると思いましたので、思い切ってKハウジングを退職し、広い目線で他の仕事もやってみようと転職活動をしました。そしてご縁があったS不動産株式会社に土地仕入担当として入社し、約3年間土地仕入のノウハウを学びました。

 S不動産での仕事は本当にキツかったですが、仕事の密度は本当に濃い内容であり、私にとってかけがえの無い財産となりました。また、当時の同僚や上司、後輩も良い人間が多く、今後の人生に向けて共々に成長出来ると感じる仲間たちでした。

もがいてあがいて

 S不動産は3年間勤務しましたが、私が依願退職する前に会社がリーマンショックのあおりを受けて民事再生法を申請した事により、私が当初希望していた3年間で必然的に退職する事になりました。その後はすぐに父の会社の取締役として共同経営者となり、会社名も有限会社サンハウスからサンワコーポレーション株式会社に変更しました。

 父との共同経営は上手く行く事もありましたが、お互いに意見が衝突する事も多く、決して順風満帆ではありませんでした。しかし、それでもこの会社を社会に必要とされる会社に育て上げようとの思いは誰よりも強く持っていましたので、社是・社訓の制定に始まり、不動産会社に必要不可欠な業務内容の整備・新規事業の開拓等を積極的に進めて行きました。

この頃は私も学習塾など多角経営をしていたのですが、不動産事業が多忙になり、父の高齢と持病の悪化に伴って、体調も日に日に悪くなって行く姿を目の当たりにし、学習塾事業を廃業して不動産事業に専念する事にしました。

父ちゃん、ありがとう

 父の容体は日に日に悪くなりましたが、私は最後まで父の仕事に付き添い、病院にも車を運転して一緒に行きました。父が無くなる3年前からは人工透析が必要な状態になりましたが、それでもいつも新しい仕事は無いか、不動産業者の友人・知人に良く電話をしては仕事に繋げようと一生懸命でした。 

父が無くなる前日の事です。病床から私と妻ににひとこと「ありがとうね」と言ってくれました。私は一度父の病室から外に出たのですが、何か胸騒ぎがして一度病室に戻り、「仕事のことは心配しなくてもいいから、ゆっくり休んでね。また明日来るからね」と言って病院を出ました。

父の容体が急変したのは次の日の深夜2時頃で、「やはりあの言葉は私に対するお別れの言葉だったのか」と思い、苦労させられた想いとは別の感謝の想いも湧き出てきました。「あなたの子供としてこの世界に生まれさせてくれて、本当にありがとう。」私の心の中に残っていた全ての苦労はあの「ありがとうね」の一言できれいに清算されていました。

分譲住宅を手掛ける中で感じたもの

平成28年には当社として初めての分譲住宅プロジェクトを立ち上げ、プロジェクト名および分譲住宅の名前は「トナリテ」としました。

これは注文住宅「Tonalite Style(トナリテスタイル)」の前身となるネーミングなのですが、基本コンセプトは「1クラス上の分譲住宅」とし、使用する各部材や住宅設備に通常の分譲住宅では設置しないグレードのものを付けたり、分譲住宅には普通付けないALSOKホームセキュリティも標準装備していました。

このトナリテは分譲住宅として10棟建築しましたが、お客様からは非常に好評を得ました。この調子で分譲住宅を建築して行きたいとは思いましたが、いかんせん広島では分譲用地が高騰しており、良好な土地を購入する事には大きなリスクを伴います。余程いい物件だと金融機関にアピールしなければ、分譲用地を仕入れる事が出来ない状況になって行きました。

株式会社ナックとの出会い

 分譲住宅用地を仕入れる事が出来ないまま、新型コロナの影響で資材単価も上昇し始めていました。「このままでは住宅事業がとん挫してしまう。お客様が本当に喜ぶ家を提供し続けるにはどうしたら良いのだろう...」私は暗中模索しながら色々なセミナーに参加し、解決策を模索していたのです。そんな時に「東証プライムに上場している工務店パートナーの会社がセミナーを開催している」との噂を聞き、半信半疑で株式会社ナックのセミナーに参加しました。

セミナーを受講し終わった私は、「私の求めているお客様への接客スタイルはこれだ、これしかない」と確信し、気がつけば株式会社ナックの担当者と長時間話をしていました。お客様が本当に喜んでくれる住宅営業スタイルに到達するにはどうすれば良いか、お客様が本当に幸せに家を建てる事が出来る方法は何か、そして熟慮に熟慮を重ねてたどり着いた答えが「注文住宅商品「Tonalite style(トナリテスタイル)」の開発でした。

お客様が「トナリテスタイルで建てたい」と思う理由があります

 私が注文住宅に取り組んだ頃、大手住宅メーカーのコストの高さや、様々な下請体制など、色々な事を調査しました。そしてお客様がそれでも地元の中小工務店を選ばずに、大手住宅メーカーで家を建てる理由を掴みました。これはこの紙面では話が長くなるのでお伝え出来ないのですが、私は当社の注文住宅シリーズ「Tonalite style」が発表と同時にお客様の目に止まり、大きな支持を得る事を確信しています。

私はこれから「Tonalie style」が注文住宅をご検討されるお客様のご検討の一つになる様に更なる改良と努力をして参りますが、皆様にはどうか当社のこれからに期待して頂ければ幸いです。